観戦雑記

思うままに適当に。

200627東北楽天-日本ハム(楽天生命)

東北楽天18-4日本ハム楽天生命)

J SPORTS

実況:中田 解説:森山学

 

先発の後を受けた二番手の出来がそのまま勝敗に直結する試合だった。

 

五回表に松井裕樹が中田の2ランで勝ち越しを許し、さらにランナーを得点圏に置いた場面で楽天は酒居にスイッチ。清水をレフトフライに抑えて追加点を防いだ。

 

その裏、先頭の茂木が出塁すると、鈴木大地とブラッシュがヒットで続き、1アウトも取れずに浅村を迎えたところで日本ハムは加藤から玉井にスイッチ。ピンチならば前倒しで登板して火消しを務める玉井の働きぶりは幾度となく目にしてきた。しかし、玉井が詰まらせようと投じたシュートを浅村は力で打ち返し、レフト杉谷のグラブを掠めつつ打球はフェンスを越えた。逆転の3ランホームラン。リードを奪った安堵はほんの一瞬で吹き飛んだ。

 

玉井はリリーフを失敗しても、傷口は最小限に留められるピッチャーとして、昨シーズンはフルに働いた中継ぎの柱だ。しかし今日は後続をかわしきれず、三つのアウトを奪う前に降板。終わってみれば楽天は打者一巡の猛攻で、1イニング10得点のビッグイニングとなってしまった。

 

先発が五回を持たず、表裏で似たようなシチュエーション。失点するか抑えるかの分岐点をそれぞれ綺麗に分かち合った結果がそのまま点差に表れた。

 

七打点の浅村を筆頭に、ロメロや太田も当たっていてどこからでもチャンスを作れて、どこででも点が取れる楽天打線は前評判通りの怖さがある。投手も後ろは盤石で、バラエティに富んだ中継ぎが揃っている。

 

一方で、気掛かりなのが今日先発した松井裕樹。抑えでは150キロ近い速球とスライダー、チェンジアップのどの球でも空振りが取れていた。しかし長いイニングを投げる先発に回って、これまであまり見なかったカーブやフォークを交えた攻め方になっているのだが、どうもうまく噛み合っていない。球速も140前半で、抑えているわけでもないのによく抜けていた。

相手からの視点で見ると、後ろにいた厄介な左投手がいなくなり、攻めやすい先発投手が一枚増えたと感じるだろう。練習試合から芳しい結果が出ていないようだが、今後松井がどのように一年間投げていくのか。今シーズンの楽天というチームを見るうえで一つのポイントとなる。