観戦雑記

思うままに適当に。

200725ソフトバンク-日本ハム(PayPay)

ソフトバンク 7-9 日本ハム(PayPay)

スポーツライブ+

実況:大前一樹 解説:加藤伸一

 

0-6から逆転できるチーム。

 

好投の石川

ソフトバンクの先発は月間MVP候補にも挙がっている石川。二回までに六点の援護をもらい、ストライク中心でイニングを重ねるだけの展開だった。

速いテンポで150km/h近い速球と目線もタイミングもずらすカーブでファイターズ打線はきりきり舞い。淡々とアウトカウントを重ねつつあるなか、簡単ではない球を宇佐美と杉谷がそれぞれスタンドまで運び、反撃の狼煙が燻りつつあった。

 

七回表の継投――スイッチヒッター杉谷への対処

3-6で迎えた七回表。ホークスは石川から高橋周に交代する。高橋周は二人の出塁を許すも二死を取り、西川を迎えたところで左の嘉弥真にスイッチ。嘉弥真が西川を歩かせると、次の杉谷には右の椎野をぶつける。杉谷は両打ちだが、右打席のほうが成績はいい。ホークスベンチは杉谷を右打者として見立てた。

こうなると右には右、左には左をぶつけて、何人費やそうがあと一アウトを取りに行くのかなと思いきや、杉谷に出塁を許すと、左の近藤にはそのまま右の椎野が続投した。八回九回はモイネロと森が控えているとして、ここは左の川原じゃないの?

高橋周も嘉弥真も勝ち試合や接戦で出てくる投手であり、実績もある。責任投手として白黒付くまで任せられる投手。その嘉弥真を代えてまで打席の左右に比重を置いたのなら、行き着くまで拘ればいい。嘉弥真を左打者一人で降ろしたということは、利き腕の相性でアウトを取る道を選んだということ。なのに近藤には左投手を送らなかった。

スイッチヒッターの杉谷がいたことで、目算が狂わされたのか。後手に回って打線は中軸に回った。どうやって残りの一アウトを取りたいのか。一貫性のない継投だった。

 

中田の勝ち越し3ラン

近藤が椎野から同点打。ここまで21打席連続無安打と不振に喘ぐ四番にまわってきた。椎野は続投。右対右。初球、高めに入ってきた甘いスライダーを振り抜くと、レフトスタンド中段に突き刺さった。試合がひっくり返る劇的な一撃だった。

 

残り八回のやりくり――金子が三回無失点

先発の村田が栗原に満塁弾を浴びて一回で降板。まだ七~八回も残っているのだから複数回行かせるのかと思っていた。接戦なら後ろの三~四回に公文、玉井、宮西、秋吉は盤石だが、そこまで回せる展開になるのだろうか――。

ショートスターターなのに早々に失点して、淡々と投手リレーを繋げていくだけの試合も多いなか、今日の継投は勝利を意識して振るった辣腕だった。

特に四回から三回を無失点に抑えた金子の働きが大きい。追加点を許さなかったことで七回の勝機が舞い込んできた。シーズン序盤は出るたびに防御率を悪化させていたが、先発マウンドを経験してからは無失点が続いている。直に貢献できた今季一勝目だけに、感動も一入だろう。

前日に有原を完投させて、すべての中継ぎをスタンバイできる今日という日をフルに駆使した采配だった。