200724ソフトバンク-日本ハム(PayPay)
スポーツライブ+
実況:大前一樹 解説:池田親興
楽天生命パーク宮城でオリックスが勝って、楽天が負けたことにより、ソフトバンクが単独首位、日本ハムが単独最下位となった。
対照的な遷移を辿った両先発
開幕投手同士のマッチアップとなる金曜日。
立ち上がりの東浜はボールが高めに浮きがち。ファイターズは三連打で幸先よく先制したものの、中田の併殺打とビヤヌエバの打ち損じで乗り切る。二回以降は修正してヒット一本に抑える。初回に池田氏が「カーブが決まるようになれば幅が出てくる」と解説したとおり、カウントを取れるようになったカーブに140km/h台のシンカーとカットを投げ分けて、ファイターズ打線は最後まで打ちあぐねていた。
有原は初回こそコースに決まっていたが、甘めに集まりだす。打たれたヒットはいずれも高めや真ん中付近の甘い球。今宮には落ち切らないフォークを二回も仕留められた。
明日は村田透が予告先発。毎週土曜日はショートスターターの線がある。今日は八回を一人で投げ抜いた。リリーフの注ぎ込めるよう万全の体制で明日へと繋げただけでも、有原は務めを果たしたといえるだろう。
7月3日の札幌ドーム以来の投げ合いとなった東浜と有原だったが、勝敗は同じ。東浜はその時以来の二勝目を挙げた。
明暗を分けた両四番
ホークスの4番・中村晃は試合を決める決勝打。三回裏に柳田のタイムリーで追いついた直後の打席。チェンジアップが三球思うように決まっていなかったので張っていたのだろうか。ストレートを逆らわずに跳ね返した。中村晃に4番のイメージはなかったが、勝負所で打棒を発揮している。
ファイターズの4番・中田は立ち上がり不安定だった東浜を助けてしまう併殺打。思えば東浜はここをきっかけに立ち直ってしまった。一点で終わるか、容赦なく畳みかけるられるかの局面。第二打席もチャンスで三振し、第三打席はボール球のカーブに合わせただけのボテボテのゴロ。まったく東浜に合っていなかった。
福岡に来てから四試合でノーヒット。併殺打は二つ。三振は七つ献上している。7月19日(日)の千葉ロッテ戦でもホームランは放ったものの、併殺打を二つ記録しており、本人も危惧するようなコメントを口にしていた。
本調子ではないという両打線の比較
解説が口を揃えて今のソフトバンクの打撃陣は不調だと言うが、ランナーを置いて回すとほぼ確実に得点が入るくらいの安定感がある3,4番が君臨していて、得点できる型がある。また走力のある選手が多いので、塁に出ればかき乱すこともできる。火曜日の試合では西田の二盗があったから、松田のヒットが逆転打となった。
栗原は1番を外され5番での起用。打率は.230台まで落ちているが、底は脱して上昇の気配。今日は高めの失投を逃さずホームラン。ヒットにならずともライナー性の鋭い打球が出るようになっている。残り二試合も注意したい。
一方ファイターズは1~3番までで得点に絡まないと、4番以降で得点に結びつけない。中田はもとより、ビヤヌエバも差し込まれる打席ばかりで、ここ四試合で内野安打の一本しかヒットが出ていない。いまは中軸の適任不在が悩ましい。
あちらを立てればこちらが立たず。なかなか打線が線として成立しない。
スタメン周東の価値
三回の先頭バッター。塁に出したら嫌だなと思っていたら、今季初盗塁を記録し、頼れる主軸の連打でホームイン。ダイビングスローで西川を間一髪アウトにするなど、攻守で貢献。昨年みたいに代走のワイルドカードには使えないものの、試合中何度も出塁する可能性がある。それはそれでいやらしい。