観戦雑記

思うままに適当に。

200728日本ハム-オリックス(札幌D)

日本ハム 5-1 オリックス(札幌D)

GAORA

実況:近藤祐司 解説:森本稀哲

 

五回表から視聴。

有原、上沢、マルティネスが揃い踏みのチームなら、そうそう負け越さないはずなんだけれども。

 

上沢、413日ぶりの勝利

首位だったイーグルス相手に六戦四勝で勝ち越してきた好調バファローズ。カード初戦でそのバファローズと対峙することになった上沢は、いかに勢いを鎮められるかを託されてマウンドに登った。

初回を三者凡退で幸先良くスタートを切ると、その後もバファローズ打線を交わし続けた。最後は甘くいきがちだったが、今季自己最高の七回まで投げて一点のリードを守り抜いた。

413日ぶりの勝利。丸一年遠ざかっていた白星をようやく掴んだ。ここまで怪我明けの上沢を考慮するような起用が続いていたが、体調は万全とのこと。あまり勝ち星に恵まれていない先発陣のなかで柱となって、出遅れたシーズンを巻き返す風を吹き込んでもらいたい。

 

全打点を叩き出す二本塁打の中田

バファローズ先発はチームが苦手にしているアルバース。三回表に中田の膝元に投じられたチェンジアップを振り抜くと、レフトスタンドまで届く2ランで先制。七回には代わった荒西の甘い初球を逃さない。今度はレフトスタンド上段まで届く3ランで終盤に貴重な追加点を加えた。八回表は3番の吉田正尚からスラッガーが並ぶ打順だっただけに、一発で追いついてしまう一点差と四点差では全然違う。

全打点を叩きだして試合を決定づける雄姿はまさに四番。二本目の12号ホームランで本塁打ランキング単独トップに躍り出た。十二球団最低のチーム打率に喘いでいて得点パターンが限られるなか、四番のバットが大きく勝敗を左右している。

 

同点のピンチを救った大田の強肩

今日のヒーローが投は上沢、打は中田とするならば、守は大田だろう。六回表、T-岡田のライト前ヒットでホームを狙った二走の宗を本塁で刺すビッグプレー。セーフならピンチが拡大して逆転の可能性もあった重要な場面。大田の正確無比なストライク送球もまた試合を大きく左右するプロの技だった。

 

 

200725ソフトバンク-日本ハム(PayPay)

ソフトバンク 7-9 日本ハム(PayPay)

スポーツライブ+

実況:大前一樹 解説:加藤伸一

 

0-6から逆転できるチーム。

 

好投の石川

ソフトバンクの先発は月間MVP候補にも挙がっている石川。二回までに六点の援護をもらい、ストライク中心でイニングを重ねるだけの展開だった。

速いテンポで150km/h近い速球と目線もタイミングもずらすカーブでファイターズ打線はきりきり舞い。淡々とアウトカウントを重ねつつあるなか、簡単ではない球を宇佐美と杉谷がそれぞれスタンドまで運び、反撃の狼煙が燻りつつあった。

 

七回表の継投――スイッチヒッター杉谷への対処

3-6で迎えた七回表。ホークスは石川から高橋周に交代する。高橋周は二人の出塁を許すも二死を取り、西川を迎えたところで左の嘉弥真にスイッチ。嘉弥真が西川を歩かせると、次の杉谷には右の椎野をぶつける。杉谷は両打ちだが、右打席のほうが成績はいい。ホークスベンチは杉谷を右打者として見立てた。

こうなると右には右、左には左をぶつけて、何人費やそうがあと一アウトを取りに行くのかなと思いきや、杉谷に出塁を許すと、左の近藤にはそのまま右の椎野が続投した。八回九回はモイネロと森が控えているとして、ここは左の川原じゃないの?

高橋周も嘉弥真も勝ち試合や接戦で出てくる投手であり、実績もある。責任投手として白黒付くまで任せられる投手。その嘉弥真を代えてまで打席の左右に比重を置いたのなら、行き着くまで拘ればいい。嘉弥真を左打者一人で降ろしたということは、利き腕の相性でアウトを取る道を選んだということ。なのに近藤には左投手を送らなかった。

スイッチヒッターの杉谷がいたことで、目算が狂わされたのか。後手に回って打線は中軸に回った。どうやって残りの一アウトを取りたいのか。一貫性のない継投だった。

 

中田の勝ち越し3ラン

近藤が椎野から同点打。ここまで21打席連続無安打と不振に喘ぐ四番にまわってきた。椎野は続投。右対右。初球、高めに入ってきた甘いスライダーを振り抜くと、レフトスタンド中段に突き刺さった。試合がひっくり返る劇的な一撃だった。

 

残り八回のやりくり――金子が三回無失点

先発の村田が栗原に満塁弾を浴びて一回で降板。まだ七~八回も残っているのだから複数回行かせるのかと思っていた。接戦なら後ろの三~四回に公文、玉井、宮西、秋吉は盤石だが、そこまで回せる展開になるのだろうか――。

ショートスターターなのに早々に失点して、淡々と投手リレーを繋げていくだけの試合も多いなか、今日の継投は勝利を意識して振るった辣腕だった。

特に四回から三回を無失点に抑えた金子の働きが大きい。追加点を許さなかったことで七回の勝機が舞い込んできた。シーズン序盤は出るたびに防御率を悪化させていたが、先発マウンドを経験してからは無失点が続いている。直に貢献できた今季一勝目だけに、感動も一入だろう。

前日に有原を完投させて、すべての中継ぎをスタンバイできる今日という日をフルに駆使した采配だった。

 

 

200726ソフトバンク-日本ハム(PayPay)

ソフトバンク 6-1 日本ハム(PayPay)

スポーツライブ+

実況:大前一樹 解説:坊西浩嗣

 

今季初のカード勝ち越しと対ソフトバンク戦勝ち越しの懸かった試合。

 

粘り強く投げられた二保と粘れなかった河野

河野は四回五失点。ストライクが入らずに自滅という次元にいる投手ではない。個々の投球を見ていると、いい球を投げていると思えたのだが。甘い球は痛打され、多少厳しい球でもヒットにされていた。

初回の中村晃には、ボール球を使わず三球勝負を挑んで返り討ちに遭った。前回のようにカーブやボール球を上手に織り交ぜられないまま打たれたり、バッテリーの姿勢に少し歯痒さを感じたのが正直なところ。

出したら嫌なランナーを出して、回したら嫌なバッターに回したら得点に絡む。それが三回続いた結果の五失点だった。

二保はきれいなフォーシームや大きく曲がる変化球を投じず、ツーシームを中心に小さく変化する球を駆使する投手。三振を意識して組み立てるのではなく、ストライクゾーンの中に打者が食いつきやすい球を投げていくタイプ。

序盤から球が高めに浮きがちで、毎回のようにランナーを背負うものの、強烈なライナーが何度も野手の正面を突き、その度にチャンスが潰えていった。"打たせて取る"を体現するピッチング。のらりくらりと回を重ねて、勝利投手の権利を手にしていた。

 

全打点を叩き出したソフトバンクの上位打線

今季初の1番起用となった今宮を軸に打線が回っていた。一回はリードオフマンとして内野安打で出塁すると、バントと進塁打を重ねて4番のバットで生還。二回は下位打線が作ったチャンスを回ってきた打席。低めのチェンジアップを捉えてポイントゲッターの仕事をしつつ、自分も柳田の犠牲フライで帰ってきた。

2番の周東も送りバントセーフティバント三塁打で小技と快速を発揮。打率は3割に乗った。3番柳田・4番柳田で合わせて3打点と、上位打線が存分にやりたい放題暴れまわっていた。

上位打線に目が行きがちだが、9番の川島もいやらしかった。アウトカウントを稼ぎたい打順にいながら簡単に打ちに行かず、河野に球数を放らせたうえでしぶとく二安打。駆け引きに長けて、試合に出れば結果を残す。仕事人と呼ぶにふさわしい仕事ぶりだった。

 

左投手に代わっても代打を出されなかった清宮

六回表、二人出塁させて清宮を迎えたところでホークスは二保から左の川原にスイッチ。清宮は代打を送られず、打ちに行って併殺打。レギュラーになれば、相手が左投手だろうと変えられず、結果を残さなければならない。期待を込めて、また今後の試金石として、そのまま打席に立たせたのだろうが、明るい成果は生まれなかった。

試合を振り返ると、ホークスが継投に入ったばかりの六回表が試合を動かせる最後のチャンスだった。分岐を捻じ曲げるにはまだまだ遠い。

 

日本ハムは次のカードからオリックス戦。首位にいた楽天相手にカード勝ち越しを決めて波に乗っている。順位差はひとつ。次の六連戦は引きずり落とすか引き離されるかの戦いになる。

 

 

200724ソフトバンク-日本ハム(PayPay)

ソフトバンク 4-1 日本ハム(PayPay)

スポーツライブ+

実況:大前一樹 解説:池田親興

 

楽天生命パーク宮城オリックスが勝って、楽天が負けたことにより、ソフトバンクが単独首位、日本ハムが単独最下位となった。

 

対照的な遷移を辿った両先発

開幕投手同士のマッチアップとなる金曜日。

立ち上がりの東浜はボールが高めに浮きがち。ファイターズは三連打で幸先よく先制したものの、中田の併殺打とビヤヌエバの打ち損じで乗り切る。二回以降は修正してヒット一本に抑える。初回に池田氏が「カーブが決まるようになれば幅が出てくる」と解説したとおり、カウントを取れるようになったカーブに140km/h台のシンカーとカットを投げ分けて、ファイターズ打線は最後まで打ちあぐねていた。

有原は初回こそコースに決まっていたが、甘めに集まりだす。打たれたヒットはいずれも高めや真ん中付近の甘い球。今宮には落ち切らないフォークを二回も仕留められた。

明日は村田透が予告先発。毎週土曜日はショートスターターの線がある。今日は八回を一人で投げ抜いた。リリーフの注ぎ込めるよう万全の体制で明日へと繋げただけでも、有原は務めを果たしたといえるだろう。

7月3日の札幌ドーム以来の投げ合いとなった東浜と有原だったが、勝敗は同じ。東浜はその時以来の二勝目を挙げた。

 

明暗を分けた両四番

ホークスの4番・中村晃は試合を決める決勝打。三回裏に柳田のタイムリーで追いついた直後の打席。チェンジアップが三球思うように決まっていなかったので張っていたのだろうか。ストレートを逆らわずに跳ね返した。中村晃に4番のイメージはなかったが、勝負所で打棒を発揮している。

ファイターズの4番・中田は立ち上がり不安定だった東浜を助けてしまう併殺打。思えば東浜はここをきっかけに立ち直ってしまった。一点で終わるか、容赦なく畳みかけるられるかの局面。第二打席もチャンスで三振し、第三打席はボール球のカーブに合わせただけのボテボテのゴロ。まったく東浜に合っていなかった。

福岡に来てから四試合でノーヒット。併殺打は二つ。三振は七つ献上している。7月19日(日)の千葉ロッテ戦でもホームランは放ったものの、併殺打を二つ記録しており、本人も危惧するようなコメントを口にしていた。

 

本調子ではないという両打線の比較

解説が口を揃えて今のソフトバンクの打撃陣は不調だと言うが、ランナーを置いて回すとほぼ確実に得点が入るくらいの安定感がある3,4番が君臨していて、得点できる型がある。また走力のある選手が多いので、塁に出ればかき乱すこともできる。火曜日の試合では西田の二盗があったから、松田のヒットが逆転打となった。

栗原は1番を外され5番での起用。打率は.230台まで落ちているが、底は脱して上昇の気配。今日は高めの失投を逃さずホームラン。ヒットにならずともライナー性の鋭い打球が出るようになっている。残り二試合も注意したい。

一方ファイターズは1~3番までで得点に絡まないと、4番以降で得点に結びつけない。中田はもとより、ビヤヌエバも差し込まれる打席ばかりで、ここ四試合で内野安打の一本しかヒットが出ていない。いまは中軸の適任不在が悩ましい。

あちらを立てればこちらが立たず。なかなか打線が線として成立しない。

 

スタメン周東の価値

三回の先頭バッター。塁に出したら嫌だなと思っていたら、今季初盗塁を記録し、頼れる主軸の連打でホームイン。ダイビングスローで西川を間一髪アウトにするなど、攻守で貢献。昨年みたいに代走のワイルドカードには使えないものの、試合中何度も出塁する可能性がある。それはそれでいやらしい。

 

 

200721ソフトバンク-日本ハム(PayPay)

ソフトバンク 1-2 日本ハム(PayPay)

スポーツライブ+

実況:加藤暁 解説:若菜嘉晴

 

六回表途中から。

試合巧者、なんて異名を思い出しました。

代打で逆転の足掛かりとなる二塁打を放った横尾も思えば大きな仕事をしました。

 

今季初のカード初戦勝利

6カード目にして初のカード頭の勝利。

いままでほとんどマイナスからの発進だっただけに、毎週ベンチに漂っていた重苦しい空気は少しは払拭されるだろう。この勝利で開幕カード以来の連勝なのだから、いかに苦しい一ヶ月であったかが分かる。連勝を延ばす楽しみを抱いて次の試合を待つ楽しみも、思えば随分と久しぶりである。

 

機能する上位打線

試合がひっくり返った七回。それまで変化球攻めが続いていた千賀が一転して西川には速球勝負に切り替えたが、球威をものともせずフェンス直撃の同点打。

代わった嘉弥真から近藤は一二塁間を鋭く破る決勝打。それまで二度の得点圏で凡退しており、ようやく仕留められた一打が試合を決定づけた。

土日はスタメンから外れていた大田が二番に戻り、三安打で復活の兆しを見せる。

上位打線が暴れまわると常にランナーがいる状態でいい打者に回る。エース相手に逆転という勝ち方も相まって、まるで強いチームの試合運びだった。

 

意義ある千賀からの勝ち星

2018年シーズンから勝てていなかった千賀にようやく土を付けた。カードとシーズン。短期的にも長期的にも、これからの戦いを見据えるうえで、日本球界を代表する千賀に手も足も出ないまま負けることは避けたかった。ただでさえ最下位争いで藻掻いている状況にあるチームだけに、格差を認めてしまえば、今後も対戦する前から戦意に影響する。

打ち崩したわけではないが攻略法は通じた。明日からは千賀以上の先発はいない。ホークスとしては、千賀でまずひとつ勝って波に乗りたいところだったろうが、気の持ちようではファイターズが優位になった。

 

好機を手繰り寄せた投手陣の粘り

先発の杉浦がバレンティンに一発を浴びたが、その一失点のみに抑えて、公文、宮西、秋吉もスコアボードにゼロを連ねた。エース相手に勝利をもぎ取るには、こちらもいかに失点しないかに懸かっている。

六回の時点で杉浦はだいぶ抜け球が目立っていたが、それでも要所を抑える粘りはこれまでの登板でも随所で見られた。今日の勝利は、味方の反撃を待って追加点を与えず、また奪ったリードを最後まで守り切ったバッテリーの働きに尽きる。

 

 

200719日本ハム-千葉ロッテ(札幌D)

日本ハム 9-2 千葉ロッテ(札幌D)

GAORA

実況:近藤祐司 解説:稲田直人

 

投手が抑えて、打線が先発全員安打するくらいの快勝だとさすがに気分がいい。

渡邉に当たりが出てきたのが、週末の三試合で一番の収穫。打線の切れ目が(少)なくなりますね。

 

プロ初勝利の河野

今季四度目の先発となった河野がやっと初勝利を挙げた。

連戦の課題だった初回を抑えると、緩急や対角線といったコンビネーションでマリーンズ打線を翻弄し、大量援護もあって途中までは完封も視野に入る無失点ピッチングを続けていた。捕手の構えたミットからコースを外さない制球力。回の進んだ後半はさすがに抜け球も出てきたが、失点した八回以外は連打を許さず、安心して見ていられた。

初登板の楽天戦では丁寧に丁寧にという意識が強すぎて四球が多くなっていたが、当時の課題は上手に折り合いを付けられたのだろう。援護をもらった後でも崩れなかった。対左打者でもスライダーで逃げるより、ストレートで突いていった。被打率の高い右打者相手にもヒットを四本に抑えられたのだから、総じて今日はストレートが良かったのだ。

先週は同学年のオリックス・山本由伸の好投に乗っかるように、119球で七回途中まで投げた。今日も八回を投げて二失点。今年はぎっしり六連戦が続く日程で、連投が続いてしまった中継ぎ投手をベンチから外さざるを得ない日もある。リリーフ陣を運用するうえで、長いイニングを任せられる先発は従来以上に価値があるシーズン。ここ二試合の内容を今後の登板にも期待したい。

 

2番抜擢で結果を残した杉谷

投のヒーローが河野なら、打のヒーローは杉谷だろう。

一番西川と三番近藤が調子を上げてきたが、間の二番打者の適任が現状いない。昨年はバントをしない強打の二番打者として名を馳せた大田は昨日からスタメンを外れるくらいに芳しくない。かといって渡邉や王を入れてもフィットせず、西川から近藤、中田へと回すまでに切れ目が生じていた。

今季初のスタメン二番に抜擢された杉谷は期待に応えてみせた。初回は西川の凡退しても自分がヒットで出塁し、第二打席では9番中島からの連打に続いてタイムリー。打線を切らさず、チャンスを作ったうえで中軸に託せる理想的な役割を果たした杉谷こそユーティリティプレーヤーの極みである。

押し出しのデッドボールをスパイクの裏で受けるなどオイシイ場面もあった。

 

一矢報いたマーティンの実力

河野のカーブにタイミングを合わすことができず、カーブを決め球にした三振を二つ喫していたマーティン。散々カーブの意識を植え付けられてきた四打席目では外のストレートを左中間に打ち返し、河野の無失点ピッチングを阻止できた。

六連戦では特大弾を放つなど存在感を放っていたマーティン。守備でも、右中間への当たりで三塁を狙おうとした中島を断念させた。メジャーでも屈指だった強肩は進塁の抑止力になっており、ただでは終わらなかった。

 

 

 

200717日本ハム-千葉ロッテ(札幌D)

日本ハム 7-4 千葉ロッテ(札幌D)

GAORA

実況:近藤祐司 解説:建山義紀

 

四回裏途中から視聴。

東條から打った中田の3ランがなければどうなっていたことやら。

 

未勝利の開幕投手対決

6月19日に開幕したプロ野球。一ヶ月が過ぎようとしているなか、未だ勝ち星に恵まれない二人の開幕投手による投げ合いとなった。

有原は建山いわく「カットが唯一制球できる球種」ではあったものの、左打者に対するチェンジアップが決まらず苦労していた。援護が少なくて見殺しになった試合もあったが、逆に打線に助けられて初勝利が舞い込んできた。

石川は「しっかり制球できるようになってきた」「ノッてきたら抑えられる投手」との解説どおり、中盤以降は自分のリズムを取り戻したが、許したリードがそのまま試合結果に反映された。

 

有原を初勝利に導いた石川亮

昨シーズン、有原と最も多くバッテリーを組んだ"専属捕手"。今年は先週のオリックス戦で初めて有原の球を受けて、勝敗は付かなかったものの、七回無失点の内容を引き出していた。

悪いなりに試合を作るのがエースの務め。今日も調子が上がらないなか、被害を最小限に留めて有原は初勝利を手にしたが、有原を熟知している石川亮の功績も大きい。

キャッチャーの専属化についてはさまざまな意見があると思うが、チームの状態が悪い以上、投手の力を引き出せる組み合わせという法則にのっとって、挑戦や実験より実績に頼るのは間違いではない。どころか、石川亮が正捕手争いを征し得る材料も出てきた。

打撃面で、今年から力を抜いたように立ちながらバットを前に出す構えに変わった。落合博満に代表される、いわゆる神主打法。ゆったりとした構えから鋭いスイングで力強い打球を連発し、今日は二塁打を含む二安打一打点。打撃でも有原を援護している。

開幕一軍を逃した石川亮がいま、攻守に存在感を放っている。

 

五点差をすんなり締められなかった秋吉

五点リードの九回に登板。セーブが付かない場面での守護神登板となったが、追い付かれるのではないかという不安に駆られる内容だった。不調でスタメン落ちしていた代打レアードに浴びたホームランを皮切りに、すんなりアウトを稼げず中村にもタイムリーを打たれた。

先週の有原の登板試合での敗戦投手は秋吉だった。最終的にはロドリゲスに外のスライダーを強引にレフトスタンドへ持っていかれたが、そこまでに行き着く内容が良くない。幸先よく2アウトを取ってから二人歩かせて、無用な一発が生まれたのだ。

今年はすでに玉井も公文も宮西も手痛い救援失敗を経験している。そもそも守護神を投入できるような場面が少ないのが一番の問題だけれども、打撃も守備もと課題の多いチームだけに、せめて締めるところは締めて、観ている側も安心できるポイントが欲しい。